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2026.09.10

飲食店の給料が安いと言われる理由と、転職で年収を上げる考え方

飲食店で働いていると、「給料が安い」と感じて転職を考えるタイミングが訪れることは少なくない。実際に額面の数字だけを見れば、他業種と比べて見劣りすると感じる場面もあるだろう。ただし、給料が安いと感じる背景には、額面と手取りのズレや、飲食業界特有の給与体系の仕組みが関係していることが多い。転職で年収を見直す前に、まずはその仕組みを理解しておきたい。

額面と手取りのズレはどこで生まれるか

求人票に書かれている給与額は、多くの場合「額面」であり、そこから社会保険料や所得税・住民税が差し引かれた金額が実際に振り込まれる「手取り」になる。この差は誰にでも生じるものだが、飲食業界では基本給が低めに設定され、各種手当で総支給額を積み増している求人も見られるため、額面の内訳を確認しないと手取りの見込みが立てにくい。

料理人としてどれだけ稼げるかを判断するときも、額面の総支給額だけでなく、基本給がいくらで、そのうちどこまでが固定的に支払われる手当なのかを、求人票や面接で確認しておくと、入社後の手取りのギャップを減らせる。

役職手当とみなし残業の仕組みを見る

飲食業界の給与体系で特に注意したいのが、役職手当とみなし残業代の扱いだ。役職手当は店長や料理長への昇格にともなって支給される一方、管理監督者に近い扱いになり、残業代の計算方法が変わるケースがある。役職に就いたことで総支給額は増えても、実際の労働時間まで考慮すると手取りの伸びを実感しにくいという声もある。

みなし残業代は、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて支払う仕組みで、それ自体は違法ではない。ただし、みなし残業の時間を超えて働いた分の残業代が別途支払われる規定になっているかどうかは、求人票や雇用契約書で必ず確認したい項目だ。ここが曖昧なまま入社すると、実際の労働時間に見合わない給与になりやすい。何時間分のみなし残業が含まれているかを面接で具体的に聞くことは、決して失礼な質問ではない。適法性の判断に迷う場合は、労働基準監督署や社会保険労務士など専門家に相談するのが確実だ。

賞与の実態をどう捉えるか

賞与についても、店舗や企業の業績に連動する仕組みになっていることが多く、金額を保証するものではない求人も少なくない。「賞与年2回」という表記があっても、実際の支給額や算定基準は企業によって差があるため、面接で確認しておきたいポイントの一つだ。

特に個人店や小規模チェーンでは、賞与の有無や金額が年によって変動しやすいという声もある。転職先を選ぶ際は、賞与を含めた年収の見込みを鵜呑みにせず、基本給と固定的な手当を中心に生活設計を考えておくと安心感がある。求人票の年収例が賞与や各種手当を含んだ金額なのか、基本給ベースの金額なのかを見分けるだけでも、入社後の印象は大きく変わる。

給料を上げるために今できること

今の職場で給料を上げたいなら、まずは昇給・昇格の基準が明文化されているかを確認したい。原価率の管理やスタッフ育成、売上への貢献など、評価される実績を日頃から数字で示せるようにしておくと、交渉の材料になる。基準があいまいなまま「そのうち上がるだろう」と待つより、上長に確認する方が現実的だ。

一方で、業態や企業規模を変える転職によって、給与体系そのものが変わり、年収が上がるケースもある。役職手当やみなし残業の設計が明確で、昇給の基準がはっきりしている企業を選ぶことは、長期的に見て「給料が安い」と感じにくい働き方につながる。

求人票の額面だけで判断せず、基本給・手当・賞与の内訳を一つずつ確認する習慣を持つことが、飲食業界で納得できる給料を得るための出発点になる。「給料が安い」で終わらせず、何が原因でそう感じているのかを一つずつ切り分けていくことが、次の一歩を決める判断材料になる。

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