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2026.07.23

飲食業界の転職面接でよく聞かれる質問と答え方

飲食業界の転職面接では、志望動機・退職理由・調理スタイルという3つの質問に共通した型がある。定番の質問に見えて、調理の現場で働く応募者に対しては、聞かれ方も評価のポイントも一般的な転職面接とは少し異なる。

「うまく話せた気がしない」「何を聞かれるか分からず不安」という状態のまま本番に臨むと、経験や技術があっても実力を出し切れないまま終わってしまう。ここでは、飲食業界の転職面接でよく聞かれる質問を3つの軸に整理し、NG回答と改善例を対比しながら、明日からの準備に使える具体的な型を示す。

面接官が見ているのは技術だけではない

飲食業界の面接でよく聞かれる質問の多くは、志望動機・退職理由・調理スタイルの3つに集約される。技術力や経験年数は書類である程度伝わるため、面接では「一緒に働けるか」「長く続けられるか」を確認する質問に重点が置かれやすい。

つまり面接官が知りたいのは、応募者が自店の環境やスタイルに合っているか、そして同じ理由でまた辞めてしまわないかという再現性である。この前提を踏まえずに模範解答を丸暗記しても、深掘りの質問で一貫性が崩れやすい。

志望動機:「なぜこの店なのか」を具体的に語れるか

志望動機で問われているのは、数ある求人の中でその店を選んだ理由が具体的かどうかである。

NG例としてよくあるのが、「スキルアップしたいと思い応募しました」という一言だけで終わる回答である。これでは、なぜ他の店ではなくこの店なのかが伝わらず、どの面接にも使い回せる言葉に聞こえてしまう。

改善するには、求人票や店のメニュー・業態を見て気づいた具体的な点(客層、提供スタイル、仕込みの分担など)を挙げ、それが自分のこれまでの経験や今後身につけたい技術とどうつながるかを一文で結びつける形にする。「この提供スタイルに惹かれた、自分の経験を活かして貢献できると考えたから」という骨組みで話すと、志望動機と自己PRが同時に伝わりやすい。

退職理由:ネガティブな事実をどう伝えるか

退職理由は、前職への不満をそのまま話すか、前向きな言葉に変換できるかで印象が大きく変わる質問である。

NG例は、「人手不足で休みが取れなかった」「上司と合わなかった」など、不満をそのまま並べる答え方である。事実であっても面接の場では愚痴として受け取られやすく、次の職場でも同じ理由で辞めるのではと懸念されてしまう。

改善するには、事実は簡潔に触れたうえで、その経験から次はどんな環境で働きたいと考えるようになったかまで話を進める。「シフトの調整が難しい環境だったため、次は無理なく長く続けられる働き方を求めて転職を考えた」というように、退職理由を今回の転職の軸に接続させると、後ろ向きな話が前向きな判断として伝わる。

調理スタイル:再現性のある技術として語れるか

調理スタイルに関する質問は、腕前そのものよりも、その技術がどんな環境で発揮されてきたかを確認するためのものである。

NG例は、「基本に忠実な調理を心がけています」といった抽象的な一言で終わる回答である。抽象的な言葉だけでは、実際にどんな厨房でどう動けるのかが面接官に伝わらない。

改善するには、担当してきたポジションや業態、扱ってきた食材・調理法を具体的に挙げ、応募先の厨房の体制(人数や分業の有無など)に合わせて自分がどう貢献できるかまで踏み込んで話す。調理師の面接対策として有効なのは、自分の経験を「できること」の一覧としてではなく、「この厨房でどう動けるか」という文脈で語り直しておくことである。

深掘り質問にどう備えるか

最初の回答の後に、「具体的にはどんな場面でしたか」「その時どう対応しましたか」という深掘り質問が続くことは多い。ここで話がぶれると、最初の回答が取り繕っただけの言葉に見えてしまう。

深掘りに備えるには、志望動機・退職理由・調理スタイルのそれぞれについて、具体的な場面を一つずつ思い出しておくとよい。「いつ」「どこで」「何を」担当し、「どう感じ、どう動いたか」まで一セットで話せるようにしておくと、掘り下げられても答えに詰まりにくくなる。

面接前にできる準備

3つの質問に共通する準備は、答えを一言一句覚えることではなく、事実(経験・技術・退職理由)と、それをどう意味づけるかを分けて整理しておくことである。

あわせて、職務経歴書に書いた内容と面接での受け答えがずれていないかも確認しておきたい。書類では触れていない経験を面接で急に持ち出すと、話に一貫性がないと受け取られることがある。

具体的には、まず自分のこれまでの職歴を「業態」「役職・担当」「身につけた技術」の3項目で書き出す。次に、応募先の求人票を見て、そこに書かれている特徴(業態、客単価、体制など)と自分の経験の接点を探す。最後に、志望動機・退職理由・調理スタイルの3つの質問それぞれについて、この接点を使って一文にまとめておく。

声に出して話す練習も欠かせない。頭の中では筋が通っていても、口に出すと長くなりすぎたり、話が脱線したりすることは多い。一人で整理しきれない場合は、飲食業界に詳しい転職エージェントに模擬面接を依頼し、客観的な意見をもらうのも一つの方法である。

まとめ

飲食業界の転職面接でよく聞かれる質問は、志望動機・退職理由・調理スタイルの3つに整理できる。それぞれに共通するのは、抽象的な言葉で終わらせず、自分の経験と応募先の状況を具体的に結びつけて話せるかどうかという点である。

準備の段階で事実と意味づけを分けて整理しておけば、想定外の深掘り質問にも一貫した答えを返しやすくなる。当日は覚えた言葉をなぞるのではなく、整理した内容をその場の言葉で伝えることを意識したい。

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